今回バイトをしてかなり勉強になりました。
まず、マニュアルの大切さ
私はバイト初日から突然店に出され、畳み、声出し、接客をしろと言われた(? イヤ、直接言われてないぞ。)のですが、
どうやって畳むのか、いつ・どんな挨拶をするのか、
お客様にどうやって声をかけるのか等、
何も教えられないまま、見よう見まね。
それで最後に「もっと接客して」と注意されたって、
何を言うか・尋ねるかすでに決まっている飲食系の接客とは異なるので、
どうやって声をかければいいのか、まるで分からない…。
狭い店内をお客様に遭遇しないよう、逃げるように畳みをしていました。(笑)
何も知らないバイト生は認識の違いから失敗やミスをするわけで、
そのミスを直す手間を考えたら、最初からきちんと教えておくべきだと思った。

それから報・連・相の大切さ。
(報・連・相=ホウレンソウ。報告、連絡、相談の意。)
福袋の販売時、店員がどの程度お客に袋の中身を見せるのかに差があり、
周りの複数の客から嫉妬の目で見つめられている短期バイト生を横で見た時は、ゾッとしました。
と言うのも、予め社長から連絡が無かったため。
1日の始めに時間をとって、どうやって客に対応するのか、
福袋の紐を解く客、中身が見たいとせがむ客にどのように対応するのか、
方針を全く知らされていなかったのです。
そこで店員同士に認識の差ができて、店内に矛盾が起きる。
それを「不平等だ!」と怒るのは、お客様です。
長期バイトの子だけが知っていて、短期バイト生に伝わっていないコトも多々あり、
結局「古株同士の方がやりやすい」みたいな感情がどこかにあった気がする。

そしてお客様に分かり易くする工夫の大切さ
女性用福袋の口をしばる紐は、サイズや服の傾向によって、それぞれ色が区別されていました。
まず服の傾向は三種類に分けられ、
 赤系=うちの店のロゴが大きく入っており、トレーナーが多い袋
 青系=ワンポイントで模様があり、赤より女性っぽい服装
 緑系=その他。赤・青系の混合の袋。
そしてその3種類内で、サイズ別に5種類。
例えば赤系では、サイズが小さい方から臼ピンク、大きくなるにつれて色が濃くなるって風に。
そんなコト、来店した客が知るわけがない。
一応、説明を店内の見える位置に貼っていたのだけれど、
説明不足で、目を通しても分かるわけがない。
そのせいで、何度も同じ説明をするはめになりました。
しかも、うちのサイズ表記は一般のサイズ表記と違うため、
うちのサイズが一般でいうどのくらいのサイズなのか、
ここから説明をしなければならないお客様も多かった。
これって無駄な作業だよなぁ。。。

無駄と言えば、検品や在庫チェックの無駄
送られてきた福袋はすでに袋詰めされているのだけれど、
わざわざ紐を解き、同じサイズの服がきちんと入っているかチェック。
そして全ての値札(タグ)にサイズ番号を書く。
これだけの検品に、どれだけの時間を遣ったことか。
また、仕入れた服は、店に並べる前に中身がきちんと入っているか点検し、
月末には店内にある全ての商品のバーコードを読み取って、在庫の数をチェックする。
バーコードを読み取るために、一つ一つ服の合間に挟んであるタグを出し、
読み取った後は再び服の合間にタグをしまいこむ作業。
地味だけど、これにもかなりの時間を要する。
必要とは言え、これってどうにか時間節約するコトはできないのかな。
もっと別の方法が無いのかな。
例えば、会計でバーコードを読み取るんだから、それで在庫管理するとか。
で、同時に売れ行き管理もできて、各店舗に集まる客の嗜好も分かったり。

あと、小売業界で働くコトの厳しさ
イオン従業員休憩室に入れば、いつでも疲れた顔をした方々を見るコトができます。
イオンが平常10時-22時まで営業しているんだから、
開店前・閉店後も作業を行って、
自然と最低12時間以上働くシステムが出来上がっているのです。
そして盆や年末年始に休みを取るコトが難しい。
イオンがオープンする前から営業をしていたアピタは、
それまで年明けは2日から営業だったのに、
出店してきたイオンが1日から営業を始めたため、アピタも1日から営業になったらしい。
結局、長時間労働が競争に勝つ条件になっているわけです。売る物は同じなんだから。
販売員になれば、毎日始終立ち仕事。
毎日同じ作業をして、同じようにお客に声をかける。
客がいなくても始終「いらっしゃいませー。どうぞご覧くださーい。」の声出し。

こういうコトしていると、イヤでも思うんです。
 やってるコト、毎日同じ。
 誰がやっても、大して差のないコト。
 頭も使わず、ただひたすら服を畳んで、
 私って、一体、何になるの…?
イオンが閉店の音楽を流した時の開放感。
そして帰宅後、明日のバイトを考えて出勤拒否したくなる気持ち。
今まで飲食系で同じような接客バイトはしてきたけれど、
1日に働く時間は長くても5,6時間で、大抵4時間だったから思わなかった。
今回1日に最低8時間働いて連勤して、そう思うようになりました。

そしてそんなコトを思うと、いかに私の市場価値が低いかが分かるんです。
結局、古本と同じなんです。
(詳細は12月6日  http://diarynote.jp/d/54208/20051206.html)
一人の人間として、バイトとして放り込まれて、
何も知らない私の価値なんてのは、相当低いんです。
何でも押し付けられるし、多少の無理だってきくんです。
私はシフトを立てる前に、「通しは勘弁」と言っておいたから良かったものの、
あるバイト生は、31日から3日まで通しバイト、今日も遅番で連勤しているみたいです。
彼女、かなりキツそうでした。
お客さんだって、私のコトなんて一瞬にして忘れてくれる。
私が店内で話しかけたって、まるで相手にしないお客さんもいる。
そのくせ福袋ときたら、みんな目の色変えて普段のお客さんじゃないみたいで。

そういう毎日を送っていると、休憩時に電話をする彼氏さんとの会話中は、
感情が介入した、私の個人的価値を感じるコトができる。
 彼にとって、『私』が彼女で、彼女は『私だけ』なんだ。
そう思えて、自分の価値が高まった気がして、温かい気持ちになれる。

一人の人間なのに、市場価値個人的価値があって、
両方の価値が高ければ、きっと幸せなんだろうとは思うけれど、
それをするのは難しいので、苦労が必要なのだと思いました。

 
と、まぁ、10日の間にいろんなコトを学んだけれど、
学んだからといって、バイトが終わるわけではなくて、あと3日残っているのです。
これが、学校と仕事の違い。

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