生きる

2005年5月14日 映画
DVD 東宝 2003/03/21 ¥6,300 無気力な日々を過ごしてきた公務員の渡辺(志村喬)は、ガンで後半年の命と知らされ、恐れおののき、嘆き悲しんだ末、市役所に懇願する人々の願にこたえて公園を作ろうと努力していく…。 黒澤明監督が、人間の尊厳を高らかにうたい上げたヒューマン・ドラマの傑作。そこにはどんな者であれ、人はここまで高められるのだという希望と同時に、ルーティンワークに甘んじる体制社会、およびそこに安住する人々への痛烈な批判も込められている。


昨日、突然3限の授業が休講になって、「なんじゃそりゃー」と言いながらランチ。
6限まで時間は悠々あるため、
天気が良いから図書館裏の芝生の上でゴロゴロ→そのまま昼寝。
日焼け防止のため、顔と腕を上着で覆い、ちょっと怪しげな格好で転がっていたけれど、
上着を通して陽が差し暖かく、心地よいヒンヤリした風が吹く。
人間も太陽の下に生まれた一生物なんだと実感した瞬間でした。(笑)

その後、またしても貸し出し期限が昨日までだったディズニーの本を読んで、
上記の黒澤明監督「生きる」を鑑賞しました。

彼に紹介されてから、ちょっと気になっていた作品でもあって。
とっても良かったです。
あいにく、6限の授業が迫っていて(実際15分遅れた)後半部分は気持ちが焦っていて、
レビューを読む限り、みなさん涙を流していたようだけれど、
私にその余裕は無かったです…それだけが悔やまれる。(苦笑)

私は主人公である渡辺さんが、最後に一大事をやり遂げたコトよりも、
人間誰しも根本的に怠惰だという部分がとても目に付いて、
そっちのがインパクトがあったかな。
主人公がミイラのような生活を送っていたのも「倅(せがれ)のせい」
役所内の周囲だって、好んで面倒な仕事をしたくないから、
市民からの要求を一向に聞こうとしない。
でも、人間てのは、その分プライドも高くて、
みなさん、渡辺さんによる手柄だと胸の内で認識しながらも、
全ての手柄を渡辺さんに譲らず、自分がどれだけ労力をかけたか、を自慢したがる。
(しかも渡辺さんの葬式の席で。)
結局人間てのは、怠惰なくせしてプライドの高い人間なんです。

それにしても、渡辺さんてのは不幸な人物で、
早くに奥さんを亡くしてから、一人で幼い息子を育ててきたのに、
息子は自分の貯金と退職金で家を建て替えようと目論んでおり、
自分に対してその点しか興味がない。
結局最後まで自分が胃がんであるコトを告白できず、
亡くなった後の周囲は、
「渡辺さんは胃がんであるコトを知っていたのだろうか?」
で部屋は討論になる。
こういう生活だけは、送りたくないなぁ。

でも、渡辺さんが「生きる」というコトを自覚した時、
演出でHappy Birthdayの歌が流れたトコは好きだったなぁ。
「あ、ミイラだった渡辺さんは、この瞬間生まれたのね!」
て分かって、それは短い時間だったけれど、
彼は立派なコトを成し遂げたと思うよ。

 
前回の日記の続き。
米の大学教授の評価HPですが、日本バージョンもありました。
http://daigaku.nikki.ne.jp/
知ってる教授の評価が並んでいて、半分笑いながら見てました。
でも日本バージョンは、「いかに簡単に単位が取れるか」が評価基準になっていて、
前回思った通り、本当に「良い教授」てのを理解していないから、
あまり意味を成していない気がしました。

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