ディズニーランドの人材教育
2005年5月2日 読書
ISBN:4901347004 単行本 志沢 秀一 ウィズダムブック社 2000/12 ¥1,365
4週間ほど図書館から借りて放置していた本、
今日が貸し出し期限日だと知って、急遽読みました。w
4週間も借りてたのに、その気になれば一日で読みきれるんだぁ。
読むのが遅い私にしては、えらい頑張った方です。
春休みに東京ディズニーランド(以下TDL)に行って、
混雑したパークの中、延々と待たされて痛い目に遭ったので、
入場者制限の話や質の高いサービスで話題を呼んでいるTDLの内情は…
と興味を持ち、今回のゼミ研究のテーマに抜擢させました。w
それで、第一冊目に本書を選んだわけです。「ディズニーランドの人材教育」
その名の通り、新入キャスト(従業員)の採用から実務に至るまでのプロセスが細かく載ってます。
著者が5年以上前にTDLを辞めているコトもあって、現状とは異なる点がいくつかあるらしいけれど、
これはこれで、勉強になりました♪
ゲストだけでなく、キャストも大事にしているんだなぁ。
てのが正直な感想。
TDLは世間一般でのステータスも高いし、
就職希望者も「TDLで働きたい!」て意志が強い人が多いので、
TDL側からは、忠誠心あるキャストを受け入れるため、
人材教育も新入りが比較的素直に受け入れてくれるため、やりやすそう。
採用からキャストになるまでのプロセスをザッと話すと、
採用募集の時点では、配属は特に示さず、インタビューをしながら、
個々に合った配属を本人と話しながら決めるそうです。
採用が決まれば、雇用契約の日に会社概略やウォルト・ディズニーの基本的知識、
ディズニー・フィロソフィー(ウォルトさんの考え方)や、TDLの建築上の工夫など、
基本的な知識を説明されるそうです。
ここで重要なのは、「ディズニーのすごさ」を伝えるコト。
期待半分不安半分で訪れた新入りキャストに、初日に大きなショックを与えるそうです。
初日の説明(プレゼン)にはこだわりがあり、
メモを取らせず、机の無い座り心地の良いイス(ソファ)を用い、視覚的資料を最大限利用し、
説明者の説明方法(親しみやすさやボディランゲージ)も質の高いものが要求されるらしい。
その後1週間ほどかけて一定レベルの仕事をこなせるようトレーニング。
各配属先でのトレーニングの開始です。
まず、ディズニー・フィロソフィーとマニュアルを使用し、徹底的に「型」を覚える。
開園から閉園までの仕事+緊急時対応手順を覚え、
実作業をし、「チェックリスト」と呼ばれるテストで合格すれば、
晴れてTDLのキャストとして認められるそうです。
この段階のトレーニングは、OJT(On the Job Training:実際の仕事現場でトレーニングするコト)が起用され、
論理・理屈抜きで仕事を叩き込まれるらしいです。
まず徹底的に基本となる「型」を覚え、キャストとなって働きながら論理・理屈を身につける、
という体制をとっているようです。
で、ここで問題なのは、
論理も理屈も理由もなくて、徹底的に仕事を覚えさせられるのって、
続かない人もいるんじゃない…?
という疑問ですが、
言ったとおり、TDLのトレーニングですから、
「TDLで働きたい!」と夢のある人材が集まるわけで、
その辺は多少強引に教え込んでも頑張れる人材が集まってるそうです。(著者曰く)
その後もTDLは人材を大切にするために、いろんなイベントを用意しています。
キャストが「私はTDLで働いているんだ!」という
誇りやTDLに対する忠誠心(本書内ではマインド・ロイヤリティ)を維持させるため、
キャストに対するサービスも怠っていません。
閉演後にディズニー・クラシックの映画上映(無料)を行ったり、
休園日を利用して、園内でマラソンやカヌーレースをしているらしい。
また、参加賞として、ここだけオリジナルの未販売ディズニー製品を配布。
誇りや忠誠心だけでなく、TDLに対する帰属意識を高めているわけです。
素晴らしい…。
私も飲食店でのバイトはいくつか経験していますが、
従業員だからこそ見える裏の事情ってのが、やっぱりあるわけです。
袋詰めされた冷凍食品をただ温めているだけ、なんてのも見てきたわけで、
そんな商品に、そこらで買うレトルトより数倍高い値段出して食べようとは、
裏事情を見れば、そんな気はおきません。
きっともっとヒドイ裏事情をお抱えのお店もあるのだろうけれど、
その辺をTDLは意識しているらしいのです。
キャストは一ゲストであって、キャストはゲストのオピニオン・リーダーになる可能性がある。
そこを意識して、キャストとの関係は常に良い状態に保たせ、
キャストもTDLで満足に楽しめるよう、キャストに対する心配りを忘れていないとのコトです。
ここまで「ディズニーブランド」を維持させるには、
それなりの努力があるわけで、ディズニーは無断キャラクター使用等にはかなりウルサイですが、
こうやって「ディズニーブランド」を保持するコトによって、
長い間、ディズニーの社会的地位は保たれているみたいです。
うーん、納得。
以上、沢山書いてしまったけれど、
このどれだけが、実際行われているのか知らないけれど、
ホントにアッパレでしたわ。良いコトだらけだわ。
特に人材マネジメントに詳しいわけじゃないので、
何かコメントありましたら、なんなりと。
4週間ほど図書館から借りて放置していた本、
今日が貸し出し期限日だと知って、急遽読みました。w
4週間も借りてたのに、その気になれば一日で読みきれるんだぁ。
読むのが遅い私にしては、えらい頑張った方です。
春休みに東京ディズニーランド(以下TDL)に行って、
混雑したパークの中、延々と待たされて痛い目に遭ったので、
入場者制限の話や質の高いサービスで話題を呼んでいるTDLの内情は…
と興味を持ち、今回のゼミ研究のテーマに抜擢させました。w
それで、第一冊目に本書を選んだわけです。「ディズニーランドの人材教育」
その名の通り、新入キャスト(従業員)の採用から実務に至るまでのプロセスが細かく載ってます。
著者が5年以上前にTDLを辞めているコトもあって、現状とは異なる点がいくつかあるらしいけれど、
これはこれで、勉強になりました♪
ゲストだけでなく、キャストも大事にしているんだなぁ。
てのが正直な感想。
TDLは世間一般でのステータスも高いし、
就職希望者も「TDLで働きたい!」て意志が強い人が多いので、
TDL側からは、忠誠心あるキャストを受け入れるため、
人材教育も新入りが比較的素直に受け入れてくれるため、やりやすそう。
採用からキャストになるまでのプロセスをザッと話すと、
採用募集の時点では、配属は特に示さず、インタビューをしながら、
個々に合った配属を本人と話しながら決めるそうです。
採用が決まれば、雇用契約の日に会社概略やウォルト・ディズニーの基本的知識、
ディズニー・フィロソフィー(ウォルトさんの考え方)や、TDLの建築上の工夫など、
基本的な知識を説明されるそうです。
ここで重要なのは、「ディズニーのすごさ」を伝えるコト。
期待半分不安半分で訪れた新入りキャストに、初日に大きなショックを与えるそうです。
初日の説明(プレゼン)にはこだわりがあり、
メモを取らせず、机の無い座り心地の良いイス(ソファ)を用い、視覚的資料を最大限利用し、
説明者の説明方法(親しみやすさやボディランゲージ)も質の高いものが要求されるらしい。
その後1週間ほどかけて一定レベルの仕事をこなせるようトレーニング。
各配属先でのトレーニングの開始です。
まず、ディズニー・フィロソフィーとマニュアルを使用し、徹底的に「型」を覚える。
開園から閉園までの仕事+緊急時対応手順を覚え、
実作業をし、「チェックリスト」と呼ばれるテストで合格すれば、
晴れてTDLのキャストとして認められるそうです。
この段階のトレーニングは、OJT(On the Job Training:実際の仕事現場でトレーニングするコト)が起用され、
論理・理屈抜きで仕事を叩き込まれるらしいです。
まず徹底的に基本となる「型」を覚え、キャストとなって働きながら論理・理屈を身につける、
という体制をとっているようです。
で、ここで問題なのは、
論理も理屈も理由もなくて、徹底的に仕事を覚えさせられるのって、
続かない人もいるんじゃない…?
という疑問ですが、
言ったとおり、TDLのトレーニングですから、
「TDLで働きたい!」と夢のある人材が集まるわけで、
その辺は多少強引に教え込んでも頑張れる人材が集まってるそうです。(著者曰く)
その後もTDLは人材を大切にするために、いろんなイベントを用意しています。
キャストが「私はTDLで働いているんだ!」という
誇りやTDLに対する忠誠心(本書内ではマインド・ロイヤリティ)を維持させるため、
キャストに対するサービスも怠っていません。
閉演後にディズニー・クラシックの映画上映(無料)を行ったり、
休園日を利用して、園内でマラソンやカヌーレースをしているらしい。
また、参加賞として、ここだけオリジナルの未販売ディズニー製品を配布。
誇りや忠誠心だけでなく、TDLに対する帰属意識を高めているわけです。
素晴らしい…。
私も飲食店でのバイトはいくつか経験していますが、
従業員だからこそ見える裏の事情ってのが、やっぱりあるわけです。
袋詰めされた冷凍食品をただ温めているだけ、なんてのも見てきたわけで、
そんな商品に、そこらで買うレトルトより数倍高い値段出して食べようとは、
裏事情を見れば、そんな気はおきません。
きっともっとヒドイ裏事情をお抱えのお店もあるのだろうけれど、
その辺をTDLは意識しているらしいのです。
キャストは一ゲストであって、キャストはゲストのオピニオン・リーダーになる可能性がある。
そこを意識して、キャストとの関係は常に良い状態に保たせ、
キャストもTDLで満足に楽しめるよう、キャストに対する心配りを忘れていないとのコトです。
ここまで「ディズニーブランド」を維持させるには、
それなりの努力があるわけで、ディズニーは無断キャラクター使用等にはかなりウルサイですが、
こうやって「ディズニーブランド」を保持するコトによって、
長い間、ディズニーの社会的地位は保たれているみたいです。
うーん、納得。
以上、沢山書いてしまったけれど、
このどれだけが、実際行われているのか知らないけれど、
ホントにアッパレでしたわ。良いコトだらけだわ。
特に人材マネジメントに詳しいわけじゃないので、
何かコメントありましたら、なんなりと。
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