なくなるコト。

2004年11月4日
ゼミの関係で、
大分県臼杵市が舞台になっている映画「なごり雪」を見ました。
今日は今日で、
撮影現場の裏を撮ったDVDを見ました。

映画は監督自身も自覚の上で、「不自然」に「不自然」を重ねたもの。
くっさい台詞や棒読み、その設定に、少し笑いつつも、
青春時代の恋から違う街でその後を送った2人の男の物語に
少し感動し、その街並みに惚れ惚れした。
ただ、その舞台裏なんていうDVDを2時間たっぷり、一人で見させられたのは、
ありゃ結構な拷問です。

そんな愚痴を言いながら、合流したゼミのメンバー2人と下山、そのままご飯を食べに行った。

初めてゼミで知り合ったような、全く付き合いのなかった人と
あんなに楽しく会食できたのは、私としてはかなり珍しい。
共通の知り合いの話や地元の話、電車の話、地震の話、
もちろん「なごり雪」の話をしつつ、笑い合った。

昨日、香田さん事件について考えさせられたトコロだけあって、
片方の子に電話があって、友達のお母さんが亡くなった、と聞いて、
なんか、反応してしまった。
最近、彼の周りのお母さんが亡くなるコトが多いらしく、
また、地震とは直接関係無いにしても、
おばあちゃんが亡くなって新潟へ戻った友達もいるらしく、
彼自身、敏感になってた。
知り合いや友達のお母さんて言うと、
私たちと同年代のお母さんを大体指していて、
自分の親も、いつどうなってもおかしく無いんやなぁ、と思う。
香田さんかて、私とそう年齢が離れているわけでもないし、
それこそ同じ大学内の友人が亡くなっても、おかしく無いわけで。

「地震」て経験が無いから、よく実感できていない。
阪神大震災の時は震度4の揺れがあったけれど、私は起きなかったし、
8月下旬に和歌山で地震があった時も、地元は震度4だったらしいけれど、
私は帰省していなかった。

阪神大震災のときは、[スゴイ]そう思ったのは、覚えてる。
でも、あれからも各地で地震は起きているけれど、そして今回も、
あまり重く受け止められていない、気がする。

踏み切りがカンカン鳴り出して車を止めた時、
冗談半分で「突っ込めー!」なんて言っていたけれど、
もしあそこで突っ込んだら、私たちも死ぬんだなぁ、とぼんやり思った。

醜い惨殺をされても、地震で一瞬にして命を奪われても、
冗談半分で踏み切り突っ込んでも、
命て同じようになくなってしまうんだなぁ、て。
そんなに簡単にも、死ねてしまうんだなぁ、て。

幸いなコトに、私は人の死を目の当たりにしたコトが無い。
お通夜に顔出しはしても、お葬式に出たコトは無い。
これが私を鈍らせているのかな。
本当の死を知らないから、命の重さも見えない。
見えないから、平気であの地へ足を向けた人がいる。

 
明日は香田さんの告別式らしいです。
安らかな眠りについてください。
ご冥福をお祈りいたします。

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